厚労省は、2型糖尿病治療薬や肥満症治療薬として製造販売承認されているGLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬(以下「GLP-1受容体作動薬等」)について、一部の医療機関において2型糖尿病及び肥満症の治療目的以外の美容や痩身を目的に使用されている実態があることが確認されていると説明。製造販売承認された効能効果や用法用量の範囲ではなく適応外で使用された場合の安全性及び有効性は確認されておらず、思わぬ有害事象による健康被害につながる恐れがあるなど十分な注意が必要となるとの見解を示した。
その上で、6月16日付けでSNSを通じ、国民向けの注意喚起を行うとともに、GLP-1受容体作動薬等の適正使用を徹底する観点から医薬品の添付文書に基づく適正使用、副作用に対して直ちに適切な処置ができる体制、虚偽または誇大広告の禁止など医療広告に対する注意事項について医療機関などに対し改めて周知する通知を発出したとした。
加えてGLP-1受容体作動薬等を製造販売する製薬企業に対して、医療機関や薬局への注意喚起の徹底や安全性情報の収集への協力要請など適正使用の促進に向けた対策を講じるよう要請を行ったと説明。GLP-1受容体作動薬等の適用外使用による思わぬ健康被害を防止するために引き続き関係団体や製薬企業とも連携しながら必要な対応に取り組んでいくとした。
こうした説明に対し、部会委員の佐藤好美氏(産経新聞社論説委員)は、通知の中で適用外使用については適用外使用であることを明記すること、また、そもそも美容医療で自由診療であっても副作用被害については報告する義務があることを改めて明示したことについて「よかったと思う」と評価。
その上で、次のように述べた。
「自由診療で医師の裁量で行われる診療についてどこまで規制をかけられるのかが難しい課題であることは承知しています。ただPMDAのサイトにある副作用情報を拝見しますと、ちょっと裁量権どころか、常識を疑うような投与も行われており、看過できない感じがしています。薬事でできることが限られていることは理解しておりますが、何かあれば矢面に立つのは薬事ですし、厚生労働省ですので、ぜひ医政局と連携して何ができるかを考えていただければと思います」(佐藤氏)。
この意見に対し、事務局は薬事や医療法、医師法の範疇でそれぞれ対応する内容があるとした上で、今回の通知発出等においても、安定供給、広告規制等の観点で医政局とも連携しながら進めていると説明。今後も医政局とも情報を共有しながら今回の問題に対しどのような対応ができるか引き続き相談していきたいと説明した。
GLP-1受容体作動薬は「マンジャロ」の製品名、「2型糖尿病」の医薬品などとして承認されている。