【ツルハHD】中間決算発表を延期/会計監査人から「誤謬」指摘で

【ツルハHD】中間決算発表を延期/会計監査人から「誤謬」指摘で

【2024.12.19配信】ツルハホールディングスは12月19日、2025 年2月期第2四半期決算発表の延期を公表した。過年度の連結財務諸表に関する誤謬が存在する可能性が判明したとしている。


 ツルハホールディングスは、2025年2月期第2四半期の決算作業中に、会計監査人より指摘を受けたことにより、過年度の連結財務諸表に関する誤謬が存在する可能性が判明したと公表した。これに伴い、2024年12月20日に予定していた2025年2月期第2四半期の決算発表を延期するとした。

 決算発表延期の理由については、当期より会計監査人となった有限責任監査法人トーマツのレビューの中で、過年度の連結財務諸表において、転貸損失引当金の未計上及び店舗閉鎖損失引当金の未計上等に関して誤謬が存在する可能性があるとの指摘を受けたためとしている。
 金額的影響額は、2024年5月期末に引き当てるべき額として、現時点において15億円から30億円ほどと指摘を受けているが、詳細は調査進行中とした。

 同社ではこれまで、店舗閉鎖に伴い転貸を実施している賃借物件において転貸による賃料収入が原賃貸借の賃料を下回る場合、原賃貸借と転貸借の期間が必ずしも一致しておらず、将来的に当該物件の使用態様が変更となる可能性があること、原賃貸借契約及び転貸借契約それぞれについて終了又は変更の可能性があること、転貸による見積賃料収入と賃借料の差額が当社の利益水準に照らして重要なものとは考えられないこと等の理由から、転貸借開始時点において転貸損失引当金を計上していなかったという。
 また、店舗を閉鎖し空室となっている賃借物件について、将来的にどのような使用又は転貸等がなされるか未定であること、賃貸借の解約料の支払いや転貸によって発生し得る見積賃料収入と賃借料の差額が当社の利益水準に照らして重要なものとは考えられないこと等の理由から、店舗閉鎖時点において店舗閉鎖損失引当金を計上していなかった。

 しかし、これらの引当金について、会計監査人である有限責任監査法人トーマツから前期以前に計上すべきであった旨の指摘を受け、同社のこれまでの考え方について説明し、協議を継続してきたものの、19日時点で協議が終了しなかった。

 このため、同社は、2024年12月20日において2025年2月期第2四半期の決算の内容を確定できないため、その発表を延期するとともに、半期報告書の提出期限の延長申請についても並行して検討するとしている。

 今後の予定については、新たな決算発表予定日に関して、会計監査人である有限責任監査法人トーマツとの協議の状況を踏まえ、決定次第速やかに公表する予定。
 同社は「株主及び取引先をはじめ関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしますことを深くお詫び申し上げます」としている。

この記事のライター

関連するキーワード


ツルハホールディングス

関連する投稿


【レデイ薬局】白石社長を解任/酒気帯び運転の検挙で

【レデイ薬局】白石社長を解任/酒気帯び運転の検挙で

【2024.11.14配信】ツルハホールディングスは11月14日開催の同社取締役会及び同社連結子会社である株式会社レデイ薬局(本社:愛媛県松山市)の臨時株主総会において、同社執行役員でレデイ薬局代表取締役社長である白石明生氏の取締役解任に関する決議を行った。、同日付で両社の役員を解任した。


【ウエルシアHD池野会長】ツルハHDとの統合「早く進めるのがよい」

【ウエルシアHD池野会長】ツルハHDとの統合「早く進めるのがよい」

【2024.05.10配信】ウエルシアホールディングスの代表取締役会長兼社長を務める池野隆光氏は5月10日、都内の会合で、ツルハホールディグスとの統合について触れ、「早く進めるのがよいと思っている」と述べた。同社の取引先を交えた会合「ウエルシアホールディングス共栄会」の総会で挨拶したもの。


【ツルハHD】ウエルシアHDとの経営統合報道でコメント公表

【ツルハHD】ウエルシアHDとの経営統合報道でコメント公表

【2023.02.26配信】ツルハホールディングスは2月26日、ウエルシアホールディングスとの経営統合に関する報道があったことを受け、コメントを公表した。


【ツルハHD2023年5月期 第3Q決算】鶴羽社長、調剤事業は「額をとりにいく戦略」

【ツルハHD2023年5月期 第3Q決算】鶴羽社長、調剤事業は「額をとりにいく戦略」

【2023.03.23配信】ツルハホールディングスは3月23日、2023年5月期第3四半期(2022年5月16日~2023年2月15日)の決算説明会を実施した。


【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【ツルハHD】調剤の売上構成比11.3%に/調剤粗利率は▲1.0ポイント減/2023年5月期第2四半期決算

【2022.12.20配信】ツルハホールディングスは12月20日、2023年5月期第2四半期の連結業績(2022年5月16日~2022年11月15日)について説明会を行った。調剤事業は開局により処方箋枚数が増加し、順調に伸長。調剤売上は対前年同期比108.9%の546億6100万円だった。対売上の構成比は11.3%となった。一方、薬価・調剤報酬改定により調剤事業の粗利率は低下。前年同期の粗利率39.6%から1.0ポイント減となる38.6%となった。


最新の投稿


【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本保険薬局協会】中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本保険薬局協会は9月11日、定例会見を開いた。この中で9月10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会の「調剤について」の議論の中で病院薬剤師の不足に関して多くの意見が出たことについてコメントした。


【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【日本薬剤師会】岩月会長、中医協「調剤」での「病院薬剤師」議論にコメント

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開いた。その中で岩月進会長は、10日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、「調剤」の議題の中で「病院薬剤師」について多くの意見が挙がったことについてコメントした。


【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【日本薬剤師会】薬剤師PR資材を制作/「親子で知る薬剤師のお仕事」

【2025.09.11配信】日本薬剤師会は9月11日に定例会見を開き、その中で薬剤師PR資材「親子で知る薬剤師のお仕事」を制作したと説明した。リーフレットのほか、短編動画も制作した。


AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

AIエージェント活用したレセコン・薬歴開発へ/三菱電機デジタルイノベーション

【2025.09.10配信】三菱電機デジタルイノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役 取締役社長:武田 聡氏)は、「AI エージェントが生みだす新たな薬局体験」をコンセプトとし、レセプトコンピュータ(以下「レセコン」)と電子薬歴を融合した「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発に着手したと公表した。本サービスのプロトタイプを、2025年10月12日から開催される「第58回 日本薬剤師会学術大会」に参考出展する予定。


【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【厚労省】緊急避妊薬のスイッチOTC薬を承認へ/改正薬機法初の「特定要指導医薬品」に指定

【2025.08.29配信】厚生労働省は8月29日、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開催。緊急避妊薬「レボノルゲストレル」(一般名、あすか製薬)のスイッチOTC化を了承した。改正薬機法で規定する「特定要指導医薬品」として初めて指定した。