【厚労省 在宅WG】ターミナルケアや小児在宅に関わる薬局数を指標に

【厚労省 在宅WG】ターミナルケアや小児在宅に関わる薬局数を指標に

【2022.10.31配信】厚生労働省は10月31日、次期、第8次医療計画に関わる在宅医療体制を議論する「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を開催し、とりまとめ案を提示した。ターミナルケアへの関わりを示すともいえる麻薬や無菌製剤を実施している薬局数や小児在宅に関わっている薬局数などを指標として追加する。地域連携薬局の指標化は見送る。案は大きな異論なく了承された。座長預かりで微修正を加えたのちに親会である「第8次医療計画等に関する検討会」に報告される。


 案は以下の通り。

■在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループにおける意見のとりまとめ(案)

(1)在宅医療の提供体制について
(対応の方向性)
① 在宅医療の提供体制の整備について
○ 今後も需要の増加が見込まれる在宅医療の体制整備に向け、国は、訪問診療や訪問看護の必要量の推計等を都道府県へ提供する。小児の在宅医療については、実態を把握するための訪問診療、訪問看護等のデータを提供する。また、都道府県は、国から提供を受けたデータ等を踏まえ、適切な在宅医療の圏域を設定し、地域での協議・調整を通じて体制整備を進める。
○ 具体的には、地域の実情に応じ、地域医療介護総合確保基金等も活用し、以下について取り組む。
・ 訪問診療における医療機関間の連携やICT化等による対応力強化、これまで訪問診療を担ってこなかった医療機関や新規に開業する医療機関の訪問診療への参入促進等
・ 訪問看護における退院に向けた医療機関との共同指導、医療ニーズの高い利用者への対応、24時間体制、ターミナルケア等の機能や役割に着目した整備や、事業所間の連携、事業者規模の拡大、ICT化等による機能強化、業務効率化等
② 「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」及び「在宅医療に必要な連携を担う拠点」について
○ 次期指針において、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」及び「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の目標や求められる事項については、重複している内容等を踏まえ、医療機関や拠点がそれぞれ担うべき機能や役割を整理する。
○ 「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」及び「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を医療計画に位置付ける。「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」については、在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院等の地域において在宅医療を担っている医療機関の中から位置付けることが想定される。各地域の在宅医療の提供状況を把握するため、「機能強化型在宅療養支援診療所数及び機能強化型在宅療養支援病院数」を指標例に追加する。
○ 一方で、医療資源の整備状況が地域によって大きく異なることを勘案し、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」以外の診療所及び病院についても、地域の実情に応じて、引き続き、地域における在宅医療に必要な役割を担うこととする。
③ 圏域の設定
○ 圏域を設定するに当たって、在宅医療の場合、医療資源の整備状況や介護との連携のあり方が地域によって大きく異なることを勘案し、従来の二次医療圏にこだわらず、できる限り急変時の対応体制(重症例を除く。)や医療と介護の連携体制の構築が図られるよう、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」及び「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の配置状況並びに地域包括ケアシステムの状況も踏まえ、市区町村単位や保健所圏域等の地域の医療及び介護資源等の実情に応じて弾力的に設定することとする。
○ 「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」及び「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を圏域内に少なくとも1つは設定することとする。
④ 在宅医療・介護連携について
○ 「在宅医療に必要な連携を担う拠点」と「在宅医療・介護連携推進事業」の連携の有効性の観点から、同一の実施主体となりうることも含め、両者の関係について次期指針に記載する。
○ 「在宅医療に必要な連携を担う拠点」の整備状況や「在宅医療・介護連携推進事業」との連携について、実態把握と進捗確認を行う。
○ 在宅医療の体制整備においては、これまでの介護サービス基盤の整備状況や今後の見込みも踏まえる必要があることから、医療計画と介護保険事業(支援)計画の整合性を図るため、医療計画策定の際に、都道府県や市町村における医療・介護の担当部局間で協議を行うこととする。
(2)急変時・看取り、災害時等における在宅医療の体制整備
(対応の方向性)
① 急変時・看取りの体制について
○ 在宅医療の関係者間で情報共有や連携のあり方に関するルールを共有するため、次期指針において、消防機関や後方支援を行う医療機関を関係機関の例として追加するとともに、地域の在宅医療の協議の場への参加を促していく。
○ 本人と家族が希望する医療・ケアを提供するにあたり、医療と介護の両方を視野に入れられる訪問看護の役割は大きいため、訪問看護によるターミナルケアを受けた利用者数を指標例に追加する。
② 災害時等の支援体制について
○ 「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」については、引き続き、現行の指針の通り、災害時等にも適切な医療を提供するための計画を策定することとする。
○ 災害時においては、医療機関同士だけでなく、訪問看護事業所等や市区町村、都道府県との連携が重要になることから、「在宅医療に必要な連携を担う拠点」等において平時から連携を進めるとともに、国が策定した手引きや事業等も活用しながら、業務継続計画の策定を推進する。
(3)在宅医療における各職種の関わり
(対応の方向性)
① 各職種の関わり
○ 在宅療養患者への医療・ケアの提供にあたり、医師の定期的な診察と適切な評価に基づく指示により、患者の病態に応じて、適切な時期にサービスが提供される必要があることについて、次期指針へ記載する。
② 訪問看護((1)①及び(2)①の内容を再掲)
○ 退院に向けた医療機関との共同指導、医療ニーズの高い利用者への対応、24 時間体制、ターミナルケア等の機能や役割に着目した整備や、事業所間の連携、事業者規模の拡大、ICT 化等による機能強化、業務効率化等について、地域医療介護総合確保基金等を活用し、地域の実情に応じて、取組を進める。
○ 本人と家族が希望する医療・ケアを提供するにあたり、医療と介護の両方を視野に入れられる訪問看護の役割は大きいため、訪問看護によるターミナルケアを受けた利用者数を指標例に追加する。
③ 訪問歯科診療
○ 在宅療養患者に対する口腔の管理は重要であり、歯科衛生士の機能・役割や訪問歯科診療への関わりについて、次期指針における在宅医療の現状や医療体制の構築に必要な事項の項目等に記載する。
○ 在宅歯科医療を進めるにあたり、歯科診療所と後方支援機能を有する歯科医療機関との連携や医科歯科連携は重要な課題であり、「在宅医療において必要な連携を担う拠点」も活用し、圏域内の状況を踏まえ、地域の在宅歯科医療の目指す姿について、関係機関等と共有しつつ、連携体制構築を進める。
④ 訪問薬剤管理指導
○ 入退院時の医療機関等との情報共有をはじめ、関係機関との協力を通じて、薬局と在宅医療に係る他機関との連携体制を構築することは重要である。多様な病態の患者への対応やターミナルケアへの参画等の観点から、地域医療介護総合確保基金等を活用し、医療機関等と連携して行われる研修や、カンファレンス等への参加を通じて、在宅医療に関わる薬剤師の資質向上を図る。
○ 都道府県の薬務主管課と医療政策主管課が連携し、地方薬事審議会等を活用して、麻薬調剤や無菌調剤等の高度な薬学管理が可能な薬局の整備状況や実績について把握・分析を行い、在宅医療に必要な医薬品等の提供体制を整備する。
○ 「麻薬(持続注射療法を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を実施している薬局数」、「麻薬(持続注射療法を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を受けた患者数」、「無菌製剤(TPN輸液を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を実施している薬局数」、「無菌製剤(TPN輸液を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を受けた患者数」、「小児の訪問薬剤管理指導を実施している薬局数」、「小児の訪問薬剤管理指導を受けた患者数」及び「24 時間対応可能な薬局数」を指標例に追加する。
○ 地域連携薬局については、令和3年度に制度が開始されたばかりであり、都道府県によって認定状況に差があるため、地域連携薬局の在宅医療への貢献について、今後調査を進めることとし、その結果も踏まえて、取組を検討する。
⑤ 訪問リハビリテーション
○ 在宅療養患者が居宅において生活機能の回復・維持を図る観点からリハビリテーション提供体制の整備は重要であり、次期指針の在宅医療の現状の項目に訪問リハビリテーションを追加するとともに、その機能・役割について、医療体制の構築に必要な事項等の項目において記載する。
○ 医療保険、介護保険における「訪問リハビリテーションを実施している診療所・病院・介護老人保健施設・介護医療院数」及び「訪問リハビリテーションを受けた患者数」を指標例に追加する。
⑥ 訪問栄養食事指導
○ 在宅療養患者の状態に応じた栄養管理を充実させるためには、管理栄養士が配置されている在宅療養支援病院や栄養ケア・ステーション等の活用も含めた訪問栄養食事指導の体制整備が重要であり、次期指針の在宅医療の現状の項目に訪問栄養食事指導の項目を追加するとともに、その機能・役割について、医療提供体制の構築に必要な事項等の項目において記載する。
○ 「訪問栄養食事指導を実施している診療所・病院数」及び「訪問栄養食事指導を受けた患者数」を指標例として追加する。
(4)指標例の見直しについて(再掲)
○ 以下を指標例に追加する。
・ 機能強化型在宅療養支援診療所数及び機能強化型在宅療養支援病院数
・ 訪問看護によるターミナルケアを受けた利用者数
・ 麻薬(持続注射療法を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を実施している薬局数並びに麻薬(持続注射療法を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を受けた患者数
・ 無菌製剤(TPN輸液を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を実施している薬局数並びに無菌製剤(TPN輸液を含む)の調剤及び訪問薬剤管理指導を受けた患者数
・ 小児の訪問薬剤管理指導を実施している薬局数及び小児の訪問薬剤管理指導を受けた患者数
・ 24 時間対応可能な薬局数
・ 訪問リハビリテーションを実施している診療所・病院・介護老人保健施設・介護医療院数及び訪問リハビリテーションを受けた患者数
・ 訪問栄養食事指導を実施している診療所・病院数及び訪問栄養食事指導を受けた患者数

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