山形県は集中率86%、東京都は集中率51%/医療機関の少ない地方で集中率は高くなってしまう可能性
調査は日本保険薬局協会の医療制度検討委員会が2026年7月1日(水)~2026年7月24日(金)に実施。保険調剤業務を取り扱う薬局として1年以上、運営している薬局の管理薬剤師 1薬局 1回答とし、4725薬局が回答した。
協会は先月までに第1部として結果を報告していたが、指標ごとのクロス集計をした解析を公表したもの。報告書では「差があるか(p値)」と「その差がどれくらい大きいか(効果量)」の2つを必ず併記。回答数が4725件と多いため、わずかな差でも「差がある」と判定されやすいため。「有意差あり」でも効果量が小さければ、実務上の意味は限られ、逆に効果量が大きい項目こそ、実際に影響が大きい要因となる。
効果量の「ε²(イプシロンにじょう)」は、3グループ以上の差の大きさを0~1で表す。値が大きいほど、グループ間の差が大きいことを示す。目安として、0.06未満は「小さい」、0.06~0.14は「中程度」、0.14以上は「大きい」とされる。
その結果、「処方せん集中率」と「エリア」(都道府県)のクロス解析では、ε²=0.196で「大きい」との結果が出た。
具体的には例えば山形県は集中率86%である一方、東京都は集中率51%となっている。
地方の薬局維持の観点でも現行の報酬体系は厳しい
協会事務局は、この結果の分析を次のように説明。「処方箋集中率と都道府県でクロス集計すると、東北、北陸、中国、九州で集中率が高い傾向があった。都市部該当性と都市部非該当性で見ると、非都市部の方が集中率がやや高い傾向にある。今回の調査だけで全国の傾向を見るわけにはいかないが、この結果から考えると、集中率というのは医療機関に左右されるため、医療機関が少ない地方ほど集中率が高くなる傾向にある」とした。
その上で、集中率に重きを置いている現在の調剤報酬改定体系について地方の薬局を維持していく観点からも課題があると指摘。「前回の改定を含め都市部と非都市部というような考え方が最近よくあるが、地方の薬局をいかに維持していくのかということを考える上で、この結果から単純に考えると、地方の方が集中率が高くなりやすい傾向にあるとすれば、集中率をかなり重要なポイントにしている今の報酬体系では地方の方が厳しい報酬体系になるのではないか。そういった推察が成り立つ」と述べた。
出典:日本保険薬局協会「令和8年度調剤報酬改定に係る保険薬局への影響調査 報告書(その2)」
なお、協会があえてやや専門的な効果量といった指標で結果を分析、公表しているのはより客観的な分析として発信していきたいとの考えがある。