「医療・介護分野におけるタスク・シフト/シェアの促進」として以下の通りとした。
【a:(前段)令和8年度検討開始、令和9年度結論、
(後段)前段の結論を得次第検討開始、令和 10 年度結論、
結論を得次第速やかに措置、
b:令和8年度検討開始、令和 10 年結論、令和 10 年度措置】
<実施事項>
我が国では、安全性等への配慮から、法令上、医行為は原則として医療に関する教育を受けた職種が実施することとされており、施設介護や在宅介護などの介護現場においてケアを必要とする介護サービス利用者(以下「利用者」という。)に対しては、例えば、PTPシートからの薬剤の取り出し、お薬カレンダーへの配薬、経皮吸収型製剤の貼付、穿刺を伴わない血糖測定、蓄尿バック交換及びカテーテルとの接続、爪白癬等の場合の爪切り、目視で便が確認できる場合の摘便、処方されたグリセリン浣腸の実施、インスリン注射、在宅酸素濃縮器のオン・オフ及び流量変更、在宅酸素濃縮器から酸素ボンベへの切替え、経管栄養チューブからの薬物注入、真皮を超えない褥瘡の処置などについて、看護師等が行っている。
一方で、高齢者人口の増加等を背景に、ケアを必要とする利用者が増加する中、関係法令上、介護職員が実施可能な行為には制限があることから、介護事業者や医療職及び介護職員の中から、利用者に必要なケアを適時に提供できない場合があり、利用者の不利益となっている事例があるとの指摘がある。令和6年6月の規制改革実施計画において、厚生労働省は、こうした現場実態等を踏まえ、医療職・介護職間のタスク・シフト/シェアを更に推進し、安全性を確保しつつ利用者本位のサービスを実現するため、介護現場で実施されることが多いと考えられる行為のうち、①PTPシートからの薬剤の取り出し、お薬カレンダーへの配薬等の行為について、医行為ではないと考えられる範囲の更なる整理、②一定の要件の下、介護職員が実施可能と考えられる行為の明確化についてその可否を含めて検討し、結論を得た上で、当該結論に応じ、一定の要件の下、介護職員が実施可能とする行為の実現のために必要な法令、研修体系等について検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずることなど、所要の措置を講ずることとされた。
こうした中、厚生労働省は、令和6年6月の規制改革実施計画に基づき、ある行為が医行為であるか否かについては、個々の行為の態様に応じて個別具体的に判断する必要があるとし、特に介護現場で実施することが多いと考えられる行為(PTPシートからの薬剤の取り出し、お薬カレンダーへの配薬、経皮吸収型製剤の貼付、穿刺を伴わない血糖測定、蓄尿バック交換及びカテーテルとの接続、爪白癬等の場合の爪切り、目視で便が確認できる場合の摘便、処方されたグリセリン浣腸の実施、インスリン注射、在宅酸素濃縮器のオン・オフ及び流量変更、在宅酸素濃縮器から酸素ボンベへの切替え、経管栄養チューブからの薬物注入、真皮を超えない褥瘡の処置)について検討を行い、「医師法第 17 条、歯科医師法第 17 条及び保健師助産師看護師法第 31 条の解釈について(その3)」(令和7年 12 月 26 日厚生労働省医政局長通知)において、介護職員が実施可能と整理されていない行為のうち、お薬カレンダーへ一包化された等の医薬品をセットすること、服薬の直前にPTPシートから薬剤を取り出すこと、専門的な管理が必要無いことを医師若しくは看護師が確認した皮膚に、いわゆる湿布を貼付すること、医師又は看護師の立会いの下で安全に行えることを事前に確認された実施者が、蓄尿バッグの破損等尿漏れを確認した際や、蓄尿バッグが膀胱留置カテーテルから外れた際に、膀胱留置カテーテルと未開封・未使用の蓄尿バッグを接続することについては、医行為ではない行為として整理・明確化を行った。
一方、目視で便が確認できる場合の摘便、処方されたグリセリン浣腸の実施、インスリン注射、在宅酸素濃縮器のオン・オフ及び流量変更、在宅酸素濃縮器から酸素ボンベへの切替え、経管栄養チューブからの薬物注入、真皮を超えない褥瘡の処置については、医師法(昭和 23 年法律第 201 号)第 17 条の考え方に照らし、医師又は看護師でなければ実施できない行為として整理するとの結論が示された。
一方で、我が国においては、令和 25 年(2043 年)には 65 歳以上の高齢者数がピークを迎えるとともに、医療と介護の複合ニーズを抱える 85 歳以上人口の増加や人口減少が更に進む見通しである中、利用者が適切に医療と介護のサービスを受けながら自立して日常生活を営めるよう、効果的かつ効率的な医療と介護のサービス提供体制等を確保することが一層重要であるが、介護現場における看護師等の不足が顕在化する中、一定の要件の下で介護職員が実施可能と考えられる行為について、以下の声や指摘がある。
・食道ろうによる経管栄養については、介護職員には認められていないが、介護現場において、介護職員による実施が求められている行為であり、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和 62 年法律第 30 号)第2条第2項及び社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(昭和 62 年厚生省令第 49 号)第1条に基づき現に介護職員が実施可能とされている胃ろうや腸ろうによる経管栄養及び経鼻経管栄養と異なり、これまで厚生労働省において食道ろうの取扱いに関する検討が行われてこなかったとの声。
・現行の介護職員が喀痰吸引や経管栄養を実施するための喀痰吸引等研修について、実地研修に係る時間的負担に加えて、対象者及び指導看護師等の確保が困難なこと並びに登録喀痰吸引等事業者による申請手続の煩雑さが修了者数増加の妨げとなっているとの声や、介護職員が喀痰吸引等の実施ごとに求められる喀痰吸引等実施状況報告書の作成・提出に係る事務負担が大きいとの指摘。
・介護現場において、ICT等の活用により、遠隔での医師等による指示・確認の下で、介護職員が実施可能な行為をより広げられることが見込まれるなど、医療職・介護職員間のタスク・シフト/シェアを更に推進すべきとの指摘。
以上を踏まえ、介護現場の実態等に応じた利用者本位のサービスの実現に向けて、安全性を確保しつつ、持続可能な医療と介護のサービス提供体制を確保するため、以下の措置を講ずる。
a 厚生労働省は、介護現場で実施される行為のうち医行為に該当する食道ろうによる経管栄養について、社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項及び社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条に基づき現に介護職員が実施可能とされている胃ろうや腸ろうなどによる経管栄養が実施できず、食道ろうを造設した利用者が適時にサービスが提供されず不利益を被ることがないよう、一定の要件の下、介護職員が実施可能な行為として食道ろうによる経管栄養を追加することを検討し、結論を得る。
その上で、厚生労働省は、食道ろうによる経管栄養を介護職員が実施可能な行為に追加するとの結論を得た場合には、一定の要件の下、介護職員が当該行為を実施可能とするために必要な法令や研修体系等について検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
b 厚生労働省は、喀痰吸引等の支援実施の意思があり、必要な提供体制を備えた介護事業所等が円滑に取り組めるよう、介護職員による喀痰吸引等の実施のための制度の運用の在り方について、介護事業所及び介護職員の事務負担、実際の介護現場での事故発生状況等を考慮した上で、研修の実施方法、喀痰吸引等の実施報告に係る手続の見直しなどを検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる
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