「抗菌性物質製剤に係る安定供給確保を図るための取組方針の改定案について」(概要)は以下の通り。
Ⅰ.取組方針の改定の趣旨
〇 経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第 43 号。以下「法」という。)第7条の規定に基づき特定重要物資に指定された抗菌性物質製剤について、法第8条第1項の規定に基づき、抗菌性物質製剤に係る安定供給確保を図るための取組方針を定めている。
○ 抗菌性物質製剤の中でも、βラクタム系抗菌薬は、日本で使用される注射用抗菌性物質製剤の 85%以上を占め、一般的な手術時の感染予防等のため、診療ガイドライン上の推奨薬として広く用いられるなど、医療上の必要性は非常に高い。一方、当該抗菌薬は、国内で製剤化(無菌化・乾燥・充填等)が行われているものの、その原材料や原薬はほぼ 100%中国に依存している。このため、その供給途絶が発生すると国民の生存に大きな直接的影響を生じさせるものであり、かつ、その適正使用の観点から他の物資での代替は困難であることから、国民の生存に必要不可欠な物資である。
○ また、βラクタム系抗菌薬は、製造設備の整備により国産原料由来の原薬を提供可能とすることに加えて、原材料及び原薬の備蓄設備の構築を通じて、海外からの原薬の供給が途絶した場合であっても医療現場に切れ目なく製品を供給する製造及び備蓄体制を一体的に整備することを目指しており、セファゾリンナトリウム、セフメタゾールナトリウム、アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム及びピペラシリンナトリウム・タゾバクタムナトリウムについては、2023 年から製造事業者における国内での製造設備や備蓄設備等の構築の支援等を行っており、2030 年までに供給途絶時においても医療現場において必要な量を切れ目なく安定供給できる体制を整備すること等を定めている。
○ 今般、「セフトリアキソンナトリウム水和物」が医療法(昭和 23 年法律第205 号)第 37 条第4項に規定する供給確保医薬品のA群として指定されたことや、サプライチェーン調査の結果、その供給が特定国に依存していることが明らかになったこと等を踏まえ、新たに安定供給確保を図る抗菌性物質製剤に追加するため、本取組方針を改定することとする。
○ さらに、近年、サイバー攻撃事案が頻発しており、サイバーセキュリティ対策の強化が求められている状況を踏まえ、事業所において、SCS評価制度やJC-STAR制度等のサイバーセキュリティへの対応を求めることとする。
Ⅱ.改定の概要
1.抗菌性物質製剤の安定供給確保のための取組の基本的な方向に関する事項セフトリアキソンナトリウム水和物についても、2027 年から国内での製造設備や備蓄設備等の支援を行い、安定供給体制構築に取り組むことを定める。
2.抗菌性物質製剤の安定供給確保のための取組に関し主務大臣が実施する施策に関する事項
抗菌性物質製剤について、施策の対象となる成分として、セフトリアキソンナトリウム水和物を支援対象に追加し、抗菌性物質製剤の安定供給確保に向けて取り組むことで、1.に掲げる目標の達成を図ることを定める。
3.抗菌性物質製剤の安定供給確保のための取組の内容に関する事項及び当該取組ごとに取組を行うべき期間又は取組を行うべき期限取組の対象範囲、当該取組ごとに取組を行うべき期間又は取組を行うべき期限等について、以下のとおり改定する。
・ 取組の対象範囲として、セフトリアキソンナトリウム水和物を追加する。
・ 当該取組ごとに取組を行うべき期間又は取組を行うべき期限について、2027 年に商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を開始し、2032 年までに国産原料由来の原薬の商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を完了するとともに、国内で製造した原薬の販売先である製造販売業者による薬事上の手続等に要する期間等を考慮し、2033 年までに供給途絶時においても、医療現場に切れ目なく安定供給できる体制を整備する旨、新たに定める。
4.抗菌性物質製剤の安定供給確保に当たって配慮すべき事項サプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ対策の強化について、事業者においてSCS評価制度やJC-STAR制度等のサイバーセキュリティへの対応を求める文言の追加。
Ⅲ.根拠規定
法第8条第1項
Ⅳ.適用期日等
○ 通知 日:令和8年8月上旬(予定)
○ 適用期日:通知日
【パブコメ】セフトリアキソンナトリウム水和物を特定重要物資としての取組に追加
【2026.07.02配信】厚生労働省は6月30日、セフトリアキソンナトリウム水和物を安定確保の取組に追加することについて、パブリックコメントを開始した。医療法の特定重要物資に同成分が指定されたことを受けた改定。2027年に商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を開始し、2032年までに国産原料由来の原薬の商用国内生産設備及び備蓄設備の構築を完了するとともに、国内で製造した原薬の販売先である製造販売業者による薬事上の手続等に要する期間等を考慮し、2033年までに供給途絶時においても、医療現場に切れ目なく安定供給できる体制を整備する旨を新たに定める。
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