日本保険薬局協会(NPhA)は10月8日の定例会見で、中央社会保険医療協議会(中医協)の“産業側”委員として参加することを含めた要望書を公表していた。
これは、令和8年7月7日に自由民主党と日本維新の会が取りまとめた「社会保障改革項目に関する具体的な骨子」で、中医協の機能・委員構成の見直しを示したことに呼応した対応。
このNPhAの要望公表に対し、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の塚本厚志会長が本紙の取材に応え、「NPhAの声明を全面的に支援したい」との考えを表明した。
「NPhAの藤井江美会長の声明に関する報道に触れ、大変共鳴した。藤井会長が、“中医協にチェーン薬局を含む保険薬局事業者の代表が参画し、制度設計に薬局の機能・運営実態を反映できる体制が必要”と表明してくださったことは大変ありがたい。われわれも日ごろからそういう機会を得られたらと考えていた。われわれも積極的に参画の機会を得るような活動をしていきたい」(塚本会長)と述べた。NPhAの声明実現へ向けて、JACDSとしても後押しする活動をしていくことを示唆した。
JACDSとしては、自民・維新の中医協委員構成の見直しの動きを把握はしていたものの、JACDSとしての具体的な声明の公表まではいたらなかったことにも触れ、「NPhAの藤井会長がぐっと踏み込んだ声明を出された。(対応に一歩遅れをとったことへの)自戒を込めて、今回のNPhA藤井会長の声明にエールを送りたい」と述べた。
加えて、JACDSとNPhAの関係性については、厚労大臣へ要望書を共同提出するなど、これまでも共同歩調があったことや、そもそも両方に加盟している会員企業も少なくないことを説明。NPhAの今回の声明は、調剤事業を展開するJACDS加盟企業の声と言い換えることもできるとして「尊重したい」との考えも示した。「今回の件に関して協調できることがあれば話し合いを進めたい」(塚本会長)と話した。
中医協委員見直しの背景にある「創薬機能の強化」に貢献する考え/治験支援薬局に参画
今回の自民・維新の中医協委員構成の見直しの背景には「創薬機能の強化」という観点があり、その上で「令和8年度末までに」、「社会保険医療協議会法の改正含め、製薬、医療機器及び卸等の産業界の法令上の位置付けを明確化する」と「具体的な骨子」には明記されている。
塚本会長は、「この卸“等”の中にわれわれも手を挙げることができるのではないかということでNPhAさんが手を挙げられた。その考え方に全く賛同するもので、われわれもチェーン組織を生かした治験支援薬局への参画を進めていきたい」と話した。治験支援薬局に関してはJACDSとして治験支援薬局の啓発や会員企業への勉強会などにチャレンジしていくとした。
JACDSの特性としてはセルフケア・セルフメディケーションを担う“産業側”の側面も指摘
模索の進んでいる中医協の“産業側”委員に関して、「NPhAで一席、JACDSで一席を目指すのか」との問いに関しては、塚本会長は「こだわらない」との考えを示した。参加する団体名でなく、「チェーン組織を生かした薬局の声」を届ける委員の参画を重視する考え。
一方、NPhAとJACDSの違いを挙げるとするなら、という前提では、JACDSの特性として「今後、セルフケア・セルフメディケーションを担う産業として社会保障に貢献する団体としてお役に立てる場面もあるのではないか」との考えも示した。これも中医協の既存の診療側「2号」委員ではなく、新しい“産業側”委員のイメージ。